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2017年03月01日更新

きのこエスポアール病院

認知症の人たちにエスポアール=希望を

佐々木院長の目標は「どう治すか」ではなく、「どう生きるか」

佐々木院長の目標は「どう治すか」ではなく、「どう生きるか」

  • 患者さんと楽しそうに話をする院長の雰囲気はまるで家族のよう。

    患者さんと楽しそうに話をする院長の雰囲気はまるで家族のよう。

  • 「病院だけど、家にいるような雰囲気に」という院長の意思が所々に。

    「病院だけど、家にいるような雰囲気に」という院長の意思が所々に。

日本で初めて開業された認知症専門病院が笠岡市にある。佐々木健さんが院長を務める「きのこエスポアール病院」だ。開業された約40年前、認知症は「痴呆症」と呼ばれ、専門的に取り扱おうとする病院はなかった。「誰もやらないなら、自分がやってみよう」。大学で精神医学を専攻していた佐々木院長は、認知症という誰も手を付けなかった分野への挑戦を決めた。

当初、認知症は世間で特別な病気と見なされていたため、患者は何もない殺風景で無機質な部屋へ隔離し、治療に関しても薬の投与やリハビリに重点が置かれていた。しかし、それは逆効果であると次第に分かった。そのような対応は患者に疎外感を感じさせ、かえって症状を悪化させてしまっていたのだ。

佐々木院長は考えを改め、「施設の在宅化」を目指すようになった。病院には家具や花を置いて一般家庭のような雰
囲気に変え、認知症患者に対しても特別視せずに普通の人と同様に接していった。院長がそのような考えに至ったきっかけの一つに、スウェーデンへの訪問がある。

福祉国家であるスウェーデンは認知症治療に関して先進的な国であり、1995年からきのこエスポアール病院でも交流を深めていった。当初、スウェーデンでは認知症患者が気軽に散歩をしたり普通の人と同様の生活をしていることに院長は衝撃を受けたという。「認知症患者に特別なことをしてはいけない。認知症患者に対する基本的な考え方から変えていかなければいかん」。

スウェーデンでの経験を経て院長は、「パーソンセンタードケア」という認知症治療の考えに至った。患者一人一人生い立ちや嗜好が異なるため、それらを十分に見極めた上でそれぞれの患者に適した接し方をする、といったものだ。「百人患者がいれば、百通りの症状がある。百通りの症状があれば、百通りの医療がある」と院長は話す。

まだ認知症専門病院として目指すところの100%には達していない」、「今後認知症医療のあり方として、認知症を予防・治療するのではなく、『いかに人生を全うするか』を追求することが自分の中の目標だ」と院長は語る。
認知症専門病院の先駆けとして30年余り経つが、まだまだ院長の目には飽くなき向上心が伺えた。


きのこエスポアール病院
佐々木 健
岡山県笠岡市東大戸2908
TEL 0865-63-0727
FAX 0865-63-5214
http://www.kinoko-group.jp/

【出典:『仕事縁鑑』 https://www.city.kasaoka.okayama.jp/soshiki/21/sigotohoukan.html

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